世界で一番ビジネスをしやすい国に選ばれたNZの本当の姿とは?

この記事を読んで欲しい人 | ニュージーランドで起業を考えている人 |
記事を読んだ後分かること | ビジネス形態の基礎知識と自分がダイレクターになるための条件 |
こんにちは。
ニュージーランドからDuke(@kogepanman)です。
先日the world bankというサイトでビジネスをしやすいランキングが発表されました。
Ease of Doing Business rankings
これは毎年世界銀行が発表していて起業のしやすさや規制の少なさなど大きくは10項目に分かれてランキングを付けるというものです。
その中でニュージーランドは4年連続1位に選ばれました。こんな小さい国なのに(小さい国だからか^^;)スゴイですよね!
今回はその内容の解説とニュージーランドではどんなビジネス形態があって、あなたがもし今後ビジネスを進めて行く上で何に注意するべきを見ていきたいと思います。
もくじ
世界で一番ビジネスがしやすい国ニュージーランドの内訳とは?
このランキングは毎年世界銀行が査定してランキング分けするのですが2019年のニュージーランドの内訳はこんな感じでした。
項目 | 順位 |
ビジネスの始めやすさ | 1位 |
建設許可証の取りやすさ | 7位 |
電力の入手のしやすさ | 48位(でしょうね・苦笑) |
不動産登記のしやすさ | 2位 |
信用情報の獲得のしやすさ | 1位 |
少数株主の保護 | 3位 |
税金制度 | 9位 |
国境を越えた取引のしやすさ | 63位 |
契約の強制力 | 23位 |
債務不履行時の解決方法 | 36位 |
総合 | 1位/190か国中 |
まぁ正直、移民である僕らがビジネスをしていく上でこの数字が肌感覚でその通りと思うかは微妙な人もいるとは思いますが・・・
これがもっと細かくどうやって格付けされているかを知りたい方は各国別ランキングの詳細を見れば例えばビジネスをし易さを計るのに起業までにかかる時間や費用の情報もあります。
例:ニュージーランド
個々に見ていくと低い数字も結構ありますがやはり一番はビジネス(起業)の始めやすさが大きい部分になりますね。
ニュージーランドでは中小企業が全体の97%を占める。
これらの企業はニュージーランドのGDPの28%を創出して労働力としても全体の30%に上る 584,000人に達しとても重要な役割を担っている。
https://www.iod.org.nz/Governance-Resources/SMEs
とあるように専業、兼業問わず個人事業を含む小規模のビジネスも含めて多くの人がビジネスに関わっています。
ニュージーランドでビジネスをするにはどんな形態があるのか?
これも色々なところで書いていますが僕の運営するニュージーランドコミュニティで参加される際に聞いている質問のひとつで
ニュージーランドで興味のあることを教えて下さい(留学・移住・起業等複数回答可)
と言うのがあります。
その中でも圧倒的に多いのが移住に関すること・・・そして次に多いのは意外にも・・・
「起業」なんです。
皆さん渡航を機に就職以外にも(ビザの件はまた別問題でありますが^^;)ビジネスをされたい方が結構いらっしゃるんですよね・・・
では起業を考えた時にまず考えないといけないのはどの形態でビジネスを始めるかという事になるかと思います。
一応代表的な形態については以前ウェブでも書いたのでそこから引用します。
起業の形態
ニュージーランドでは大きく分けて3つのビジネスの形態があります。
- Sole trader (個人事業)
- Company (会社)
- Partnership (パートナーシップ)
各々の目的によってどれが一番自分に合っているかを考える必要があります。
Sole trader (個人事業)
sole traderは会社として登録せずに、個人名義でビジネスを始めたり契約したりする形態です。
ニュージーランドの数多くの中小企業、請負業者、自営業者はこの形態を取ります。
特徴としては最も安く、簡単に始められますが無限責任である点が挙げられます。
(ここは別記事でまた詳しく書きます)
Company (会社)
会社形態を取る場合はcompany officeにて会社登録が必要になります。
その中でダイレクター、株主等を登録します。
個人事業と大きく異なる点は規模に加えて投資家を募るか?将来会社を売る目的があるか?
という部分になります。また責任範囲は個人事業と違い有限責任になります。
*この会社の登録の早さや費用の安さも今回を含む以前から起業しやすい国1位に選ばれる部分でもあります。
Partnership (パートナーシップ)
パートナーシップは、2人以上の人または組織が事業を結成する形態です。
パートナーシップ契約の中で、利益、借金、仕事内容をどのように分担するかを決定します。
主に建築関係、弁護士、会計士などの専門家に使われる形態です。
各形態についての詳細はNZ政府のビジネス形態に関するページをご参考下さい。
Entrepreneur Resident Visa(起業家ビザ)
NZ国内で企業を2年間運営すると永住権に繋がるもの。
条件としては英語でIELTS4.0以上、年齢、資金(最低NZ10万ドル)、事業経験、NZ国内の雇用人数などを加味して最低120ポイントを越える者。
またビジネスプランがユニーク(他にまだなくNZ経済に貢献するもの)である必要があります。
その他に必要なビザについて
起業家ビザは多くの条件がありますが上の挙げた3形態はオープンで働けるビザ(雇用主が記載されていないどこでも働けるビザ)が必要になります。
例:パートナービザ、ワーキングホリデービザ等
ビザを含めてどの形態を選ぶのが良いかはメリット・デメリット等を含めて弁護士など多くの方のアドバイスが推奨されています。
会社を作れる人(ダイレクター)になれるのはどんな人?
なるほど・・・会社を作るのは簡単なのか・・・じゃあ早速作りたい・・・ちょっと待って下さい^^;
会社組織になるにはDirectorというポジションに誰かが就かなければいけません。
その条件が・・・
しかもビザの条件としては上に挙げたように最低でもオープンワークビザを所持している人です。
Who can be self-employed in New Zealand?
詳しくはここを見れば分かりますが専門学校を卒業してPost-study work visaを所持して会社を設立する事が出来ます。
だけど結局は出来ても期限付きのビザだし、その間に就職が決まって普通のワークビザになれば雇用主がいるので他で働けないので会社のダイレクターは他に誰か探さなければいけないってことですね^^;・・・
という事ですので自分もダイレクターとして残れますが最低でもニュージーランドに住んでビザの部分をクリアしている人が必要になるという事になります。
ニュージーランドで兼業・副業は簡単なのか?
という事でこれから渡航を考えている人も既に渡航して専業や副業を考えている人にも色々な可能性があるかと思います。
上で説明したようにご自身が会社組織のダイレクターになれないならなれる人と一緒に会社を興しながらという方法もありますし日本とニュージーランドで分業しても良いでしょうし・・・
そうではなく個人事業主として働きたいという方は次回(以降)Sole traderについても書いてみようと思います。
ただ最後に書いておかないといけないと思いますがどこの国でも同じですが起業のしやすさとそれを続けていく事の困難さはやはり別物です。
僕自身一度大きな失敗の経験もありますし、今は自分の会社を運営しつつも同時に雇われていたり、外注のコントラクトという形でも仕事を頂いています。
でもこれも新しい仕事のスタイルかもしれないと思いそんな方法がコミュニティの中で出来る方法を密かに計画中です(またお知らせします^^)
いずれにせよ移民である僕らはビザの問題もあるし決して人を雇いながら事業をしていく事は簡単ではないと思います。
データに出ている世界1位だけを信じて進んで行くのはやはり危険ですよね・・・
だからこそリスクも考えてどのように進めていくか考える必要があると思います。
次回はそのリスクも含む会社組織と個人事業主の違いについても解説します。