これで全て解決!インターンシップを合法的に行う4つの決め事

この記事を読んで欲しい人 | ニュージーランドでインターンシップに参加したい人又は提供したい企業 |
記事を読んだ後分かること | 労働法に則ったインターンシップの活用方法 |
こんにちは。
ニュージーランドからDuke(@kogepanman)です。
先日(2020年11月12日)にニュージーランドにおけるインターンシップの扱いについて新たな発表がありました。
ニュージーランドのおいてのインターンシップの扱いは今までも色々と議論されてきた事ですが一応ガイドラインとして労働局からの発表ですのでこれからインターンシップに参加しようとしている個人や、そういう人たちにインターンシップを提供する企業は是非ご一読下さい。
今回はその労働局の発表のページとこの国におけるインターンシップについて解説していきます。
参考:The legality of no-pay or low-pay internship
これから就職を目指す人や学生にとって、インターンシップは経験を積み、より良いキャリアの展望につながる新しいスキルを身につけるための素晴らしい機会です。
ただ、労働法によるとこれはグレーゾーンであり、雇用主によっては、故意か否かに関わらず、法律に違反し、インターン生が搾取されるような状況に陥る可能性があります。
毎年どこかでビザなどをチラつかせて最低賃金を守らずに労働の搾取をするニュースが報道されます。こういう事が起こらないようにもルールを知り自分自身を守る事も海外では必要ですね。
もくじ
インターンシップとは何ですか?
インターンシップとは、有給または無給の実務経験の期間のことです。
インターンシップは、(大学や専門学校のコースの)学習プログラムの一部として強制的または任意である場合もあれば、特定の分野で関連するスキルや経験を得るために利用される場合もあります。
インターンシップは、サマー・クラークシップ、バケーション・ワーク・プログラム、職場配置プログラム、プラクティカムとしても知られています。
ニュージーランド国内においてインターンシップは、さまざまな種類の企業、大学、非営利団体、政府機関などで利用されています。
無給インターンシップ
実はインターンシップという仕組みは雇用関係法( Employment Relations Act)では定義されていません。
ボランティアは従業員という扱いにはならず、通常従業員が得られる労働者の権利を持ち合わせる事が出来ません。
ですがその一方で、職場における安全衛生法(Health and Safety at Work Act)と人権法(the Human Rights Act.)の下で保護されています。
ボランティアとは
慈善団体や非政府組織、任意団体の中でも、芸術やメディアなど一部の業界では無給のインターンシップは一般的に行われています。
また、上記の大学や専門学校の学位コースの一環としてインターンシップを行っている場合や、市民活動やコミュニティサービスに貢献している場合は、ボランティアとして働いているとみなされるため、無給となる場合があります。
この場合、インターンシップの主な利益を得るのはあなたであって、働いている組織ではありません。
企業が無給のボランティア、職場体験(インターンシップ)を提供する場合に注意する点
・その仕事はボランティアであり、支払いやその他の報酬が発生しないことを明確にする(理想的には書面で通知)
・そのインターン生の仕事で経済的利益を得るのを避ける(慈善団体は除く)
・他の従業員がするような通常業務はインターン生にさせない
・インターン生の労働期間と労働時間を制限する。
インターンシップは、新しいスキルの習得と経験を積むことを主な目的としていることを参加者も提供企業も確認する必要があります。
このガイダンスに従わない場合、インターンシップは無償労働または搾取のケースとみなされる可能性があります。
この声明は、賃金の支払いなしで事業活動をする場合における労働に関する労働検査院の立場を定めています。
ニュージーランドでは労働者の権利を守るために(最低賃金を守っているかなど)労働法に則った雇用がされているかをチェックする仕組みがあります。
このインターンシップがインターン生のスキルや経験の習得をメインにしているのではなく無給労働などの企業からの搾取にならないように上記のような規定を設けています。
有給インターンシップー 給与は最低賃金以下になることはあるのか?
有給インターンシップを提供する雇用主であれば、通常の雇用のような有期契約(fixed-term agreement)を結ぶことが可能です。
この場合、雇用法が適用されます。
– 有期契約には正当な理由が必要であり、賃金は最低賃金(minimum wage)を下回る事は出来ません。
2020年11月現在最低賃金は時給18.90ドルですが現政府は2021年には20ドルに引き上げることを提案しています。
学生支援(Studentship)
学生が研究者のプロジェクトを手伝うなど、アカデミックな学部で一定期間の就業体験をする学生シップには、最低賃金は適用されません。
学生シップは(仕事ではなく)奨学金の一種ですので、非課税であり、雇用法の対象にはなりません。
雇用法は適用されませんが、学生シップは自発的なものであることを書面に記載しておくのが望ましいです。
つまり、一般的に、この学生シップの中で学生が行う仕事はボランティアと同じようなものであり、学生はその就学体験の中からスキルや経験を得るという利益を得ているということです。
学生シップで行う研究活動は、通常雇用されている研究者が行うようなものとは別である必要があります。
学生シップで報酬が得られる場合もありますがそれは予算や研究プロジェクトによって様々です。
ほとんどの学生は、学生シップにより貴重な経験を得ることができたと感じているので、報酬額は大きな決め手にはなりません。
しかし、大学が少なくとも最低賃金に見合った額を支給し、学生の貴重な仕事と貢献を認めてくれるように奨励されています。
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この労働局のページはここで終っているのですが有給や報酬という言葉が出たのでここでひとつ補足しておきます。
観光ビザ(もしくはビザなし)でボランティアやインターンで無給の仕事をすることができるか?
その答えは・・・
観光ビザ(働くビザなし)でニュージーランドに滞在中にボランティア活動をすることはできますが、利益や報酬を受け取らないことが条件です。
あなたが行うボランティア活動に対して、利益や報酬を期待したり、受け取ったりしてはいけません。
ボランティアとの大きな違いは報酬を得ているかどうかという事。
利益や報酬は働いた対価として給与という形ではなくても
- 住む場所
- 食事や洋服
- サービス(移動のサポートなども含む)
- トレーニング
が提供される場合はワーキングホリデーなどの「働く事を認められたビザ」が必要になります。
*逆に言うとこれらの報酬を得ないボランティアであればビザは要らない事になります。
利益や報酬を得ることを目的としている場合は、ボランティアとはみなされず、就労ビザの申請を検討する必要があります。
WWOOFing(Willing Workers on Organic Farms in New Zealand)は、WWOOFersが食事や宿泊施設を受け取るため、労働とみなされますのでご注意ください。
WWOOFersは就労ビザを持っている必要があります。
参考:Can I do unpaid work while visiting New Zealand?
まとめ
いかがでしたでしょうか?
インターンについてはグレーという認識が多かったと思いますが、再度書きますと参加者も提供する企業も下記の点に注意しながら進めて行けば良いというガイドラインが出来てよりクリアになったと思います。
・その仕事はボランティアであり、支払いやその他の報酬が発生しないことを明確にする(理想的には書面で通知)
・そのインターン生の仕事で経済的利益を得るのを避ける(慈善団体は除く)
・他の従業員がするような通常業務はインターン生にさせない
・インターン生の労働期間と労働時間を制限する。
僕の方でも企業から依頼を受ける事もありますし、個人でも興味があるという方はご相談に乗れる事もあるかもしれませんのでお気軽にお声お掛け下さい!