【2022年度版】今更聞けない?!なぜ今コミュニティに取り組むべきか?
この記事を読んで欲しい人 | コミュニティ運営に興味があるがどんな仕組みや何が有効なのか分かっていない人 |
記事を読んだ後分かること | 自分のビジネスに当てはまるコミュニティの活用方法 |
こんにちは。
ニュージーランドからDuke(@kogepanman)です。
気付いたら前回の投稿から1年程経過してしまいました(苦笑)・・・。
ですが今回「この記事はシェアしたい!」と気付いたら翻訳や解説で3時間以上掛けてこの記事をUPしましたので、目次もご参考にコミュニティについて興味が少しでもある方は是非読んでいって下さい。
参考記事:Why Community Now?
もくじ
なぜ今コミュニティなのか?
ビジネスにおけるコミュニティの存在は新しいものではありませんが、初期の頃の対面式イベントやオンラインサポートフォーラムかといったスタイルからは大きく進化してきました。
新しいタイプのビジネスや、企業と顧客の交流方法に関して、コミュニティ、特にオンラインコミュニティが中心的な役割を果たすようになってきました。
これらのコミュニティでは、企業が(潜在顧客を含む)メンバーと簡単につながることができ、従来のマーケティング戦術と比較して、メンバーと強力な関係を築き、とても早く信頼を構築することができるようになりました。
このような関係を構築することで、メンバーや潜在顧客があなたの会社に注目して貰えるようになるのです。
裏付ける事実として・・・
01 広告の効果が薄れてきている[1]
02 多くの人がソーシャルメディアから離れ、マイクロコミュニティに移行している [2] 。
03 信頼は関係構築とブランド親和性に不可欠 [3]
[ ]内は事実の根拠となる記事(英文)に飛びます。
コミュニティ構築には時間がかかる
ROI(費用対効果)への道のりは長く曲がりくねったものに感じられるかもしれませんが、早い段階から投資し、それを継続することでビジネスで成果を上げることができるようになります。
コミュニティは、競合他社に差をつけるだけでなく、企業とコミュニティメンバーの双方が今までにないような価値を得られるような、より強固な関係を作る場所として今後とても重要になってきます。
コミュニティへの投資を早期に行うことで、次のようなメリットがあります。
質の高いカスタマー・フィードバックが頻繁にもらえる。
アドボカシー(社外の協力者=ファン)が現れる
(広告など)顧客獲得にかかる有償の導線への依存度を低減
顧客維持率の向上
ブランドや 組織にとって重要な信頼の獲得
コミュニティ主導とはどういうことか?
最近コミュニティ・リードという言葉を日本語でもよく耳にしますがコミュニティ主導型(リード)とは、単にコミュニティを持つということではありません。
コミュニティをビジネスの中心に据え、そのコミュニティが進むべき道を示してくれることが必要なのです。
コミュニティが正しく機能すれば、以下に示すように、組織全体を繋ぐ糸となり、強力な効果を発揮するのです。
以前 | 現在 |
ブロードキャスティング 企業は、従来の1対多のチャネルで人々に語りかけた |
コネクティング 企業は多対多の関係構築に注力する |
過小評価 コミュニティは後回しにされ、人員もリソースもなかった |
強化された コミュニティチームは成功に必要なリソースを持っている |
サイロ化(孤立して活用できない) コミュニティがサイロ化し組織全体に影響を与えることができなかった |
クロスファンクショナル コミュニティは、組織全体を繋ぐ核となる糸となる |
トランザクショナル リードやその他の企業価値を高めることのみを目的としていた |
共生型 コミュニティは、企業とメンバーの両方に価値を提供する |
(ビジネスにおける)コミュニティとは?
コミュニティとは、何か共通のものによって集められた人々の集まりのことです。
ビジネスで言えば、このコミュニティはオンライン・プラットフォームに存在することが多く、メンバーがビジネスやお互いにつながることができるスペースとなります。
コミュニティには、主に3つのタイプがありますが、同時に複数のタイプになることもあります。
①製品のコミュニティ
製品のコミュニティは、主に特定の製品を中心に展開されます。これは、物理的な製品(Pelotonなど)、SaaS製品(Salesforceなど)、または(オンライン講座や電子書籍等の)デジタル製品である場合もあります。
メンバーの目標
サポートに関する質問への回答、製品に関するフィードバックの提供、製品を使用している他の人たちとの経験の共有と学習
ビジネス・ゴール
サポートコストの削減、フィードバックの収集、ブランドへの信頼の構築
例
Salesforce, Atlassian, Glossier, コミュニティクラブ
②コミュニティ・オブ・プラクティス
共通の業界や職業、スキル、または場所を中心に展開するコミュニティで、通常、単一の製品よりも広い範囲に及びます。これらのコミュニティは、その中に製品のコミュニティを含むことができます。
メンバーの目標
あるテーマについてより良く、より深く知ることができるようになること、他のメンバーの学習や成長をサポートすること
ビジネス・ゴール
*ソートリーダーシップを発揮する、理想の顧客を見つける、親和性を高める
ソートリーダーシップ/Thought Leadershipとは
特定のセグメントや分野において将来を先取りしたテーマやソリューションを示し、人々の議論や思想形成を引き起こすことにより、そのテーマやソリューションについて改めてより深く考えるようにする活動をさします。
端的に言うと目的とする市場やターゲット顧客に「洞察」や「見通し」と共に解決策やソリューションを示唆する活動です。
例
コミュニティ・クラブ、Peloton、Makerpad
(その他にもオンラインマーケティングの研究会やニュージーランド情報のコミュニティ等)
③興味のある分野に関するコミュニティ
これらのコミュニティは、興味に基づいたつながりに焦点を当てています。ビデオゲーム、料理、天文など、趣味や情熱的なプロジェクトが中心となっていることが多いです。
メンバーの目的
同じような興味を持つ人を見つけ、その人の興味や情熱についてもっと知る。
ビジネス・ゴール
ソートリーダーシップを発揮する、理想的な顧客の発見、ブランドの信頼構築
例
/r/malefashionadvice、アメリカ天文学会、Mumsnet
コミュニティにおける4つの層とは?
コミュニティという広義の意味は時に恵みであると同時に災いでもあります。
つまり用語や概念として、コミュニティはしばしば説明しにくいことがあるのです。
ここでは、分かりやすい定義となることを目指し、企業におけるコミュニティの4つの主要な「層」を定義しています。
マーケット(あなたについて話している人たち)
企業が存在する広範囲の市場を意味し、他のコミュニティと企業のターゲット市場のすべての人々で構成されています。
企業が直接所有し運営する「コミュニティ」ではないかもしれませんが、企業にとって、この広い市場における感情、トレンド、進行中の出来事を意識することはとても重要です。
存在する場所
Facebook, Twitter、LinkedIn、Reddit、Stackoverflow、Hacker News等
注力すべき指標
# ソーシャルメンション*、センチメント分析**
エンゲージメントの方法
リーダーシップ、ワークショップ、ソーシャルチャンネルでの関係構築
オーディエンス(あなたのコンテンツを消費し、二次的なチャネルであなたと交流している人たち)
オーディエンスとカスタマーコミュニティの境界線は、しばしば曖昧になりがちです。
オーディエンスは、マーケティングが直接関与し、一方通行のコミュニケーションが中心となります。
またオーディエンスは組織の周辺の「エンゲージメントのネットワーク」全体から構成される傾向があります。
これには、ソーシャルメディア、ウェビナー、ニュースレター、その他コミュニティ主導で顧客と潜在顧客の両方にリーチできるプログラムなどが含まれるかもしれません。
存在する場所
ニュースレター、Facebook, Twitter、LinkedIn、Reddit、Stackoverflow、Hacker News等
注力すべき指標
ソーシャルエンゲージメント、コンテンツシェア
エンゲージメントの方法
リーダーシップ、ワークショップ、ニュースレター
メンバー(主要チャンネルであなたや他のメンバーと関わる人たち)
これは、伝統的に企業で「コミュニティ」と考えられているもので、彼らをまとめるのがコミュニティ・マネージャーやコミュニティ・チームリーダーという存在です。
これらのコミュニティは通常、企業の顧客で構成されていますが、前述の「製品のコミュニティ」タイプではなく、「コミュニティ・オブ・プラクティス」型のコミュニティを採用する企業が増えているため、この状況は変わりつつあります。
コミュニティクラブは、この変化の素晴らしい例です。
存在する場所
Slack、Discord、フォーラム、その他のコミュニティ・プラットフォーム
注力すべき指標
エンゲージド(積極的に参加している)メンバー、イベント参加者数、リテンション(コミュニティ継続参加率)
エンゲージメントの方法
様々なイベント、日常的な会話/ディスカッション、1対1または少人数でのつながり
社内(あなたの組織で働く人たち)
(社内)文化、人間関係、そしてチームメンバー間の絆の強さは、企業を成功に導くために欠かせないものです。
そのためには、コミュニティ・マネジメントの原則を社内のチームに適用するのがもっとも適していると考えられます。
世界的なリモートワークの爆発的な増加により、この役割に対するニーズはさらに高まっています。
リモートチームは、人間関係、(社内)文化、信頼を育むことをより意識する必要があり、そのためには、チームを社内コミュニティとして扱うという事も今後益々重要になってきます。
存在する場所
Slack, Microsoft Teams, メール, オフィス
注力すべき指標
従業員満足度、従業員定着率
エンゲージメントの方法
社内イベント、ディスカッション/日常的な会話、懇親会
コミュニティ主導の成長モデル
コミュニティは、組織内のすべてのチームに具体的な利益と影響を与えます。
コミュニティに投資することは、すべてのチームに投資することという事なのです。
この「フライホイール」は、コミュニティが組織の他のチームと連携し、影響を与える重要な方法のいくつかを示しています。
マーケティング
コミュニティとマーケティングが連携することで、コミュニティのメンバー、顧客、見込み客に語りかけるためのすべてのチャネルで、一貫したメッセージが共有されるようになります。
それぞれのチームの目標を深く理解することで、理想的な顧客に語りかけるコンテンツをシームレスに作成し、ソートリーダーシップを共有し、コミュニティメンバーを向上させ、ロイヤルティを育成することができます。
注力すべき指標
・ファネルコンバージョン率(大規模に募集して最終的に残った数)
・ソーシャル上での再共有数
・リファーラル
・# ソーシャルメション
コミュニティとマーケティングが連携することで
・統一されたペルソナとメンバージャーニーを作成することで、より良いターゲットオーディエンスを作ることができます。
・ブランド親和性、ブランド認知度、そして最終的には市場シェアを向上させることができます。
・競合他社に打ち勝つためのブランドボイスを確立します。
・業界のオピニオンリーダーとして組織を強調するコンテンツを作成し、製品と組織に対する信頼を構築します。
製品制作
コミュニティとともに製品を構築する。
プロダクトマネージャーやプロダクトチームは、常に顧客中心のアプローチで製品を開発すべきです。
そして、そのような顧客を見つけるのに、コミュニティは最適なのです。
コミュニティは、あなたの最高の(潜在)顧客で構成されています。
注力すべき指標
・# コミュニティのアイデアから作られた機能の数
・ユーザーインタビューの数
コミュニティと製品が一緒になることで
・製品諮問委員会または広範囲なコミュニティのメンバーを通じて、製品開発を研究するのに理想的なメンバーを見つけることができます。
・コミュニティメンバーによって提起されたアイデアや問題を検討事例として取り上げることができるようになります。
・コミュニティ内で頻繁に情報を共有し、メンバーが情報や機会に早期にアクセスできるようにすることで、製品に関わるコミュニティ内の信頼が上がります。
セールス
コミュニティのメンバーは、(セールスを掛けたれる事を期待している訳ではなく)コミュニティにおける信頼を重要視しています。
多くの営業チームがコミュニティを単なる販売チャネルとして利用しようとしたことで、一度や二度は火傷を負ったことがあると思います。
しかし、営業チームとコミュニティチームが協力すれば、メンバーと会社の間の信頼関係を維持する境界線を作ることができます。
注力すべき指標
・# コミュニティで認定されたリードの数
・成約までの時間
コミュニティと営業が連携することで
・信頼関係を失うことなく、コミュニティ内の潜在的なリードを発掘することができます。
・最高の顧客とターゲット顧客がどのようなものであるかをよりよく理解することができます。
・理想的な顧客と早期に関係を築き、通常の販売サイクルの戦術を必要とせずに連絡を取り合うことができます。
サポート
企業によって構築された初期のコミュニティのいくつかは、主にサポートに焦点を当てており、今日でもサポートチームと共に重要な役割を担っています。
コミュニティのメンバーは、時に顧客の教育、ベストプラクティスの先導的な例となり、本来は(社員等の)チームが処理する低レベルのサポートを代わりに担ってくれる場合があり顧客からのサポートリクエストの量を減らすために、頼ることができます。
過去にはこんなデータも!
注力すべき指標
・コミュニティ内でサポート前に処理出来たケースの数(またはコミュニティが(社員等の)チームと比較してサポート問題を処理した割合)
・問題解決までの平均時間、解決率
コミュニティとサポートが連携することで
低レベルのサポート依頼を減らすために、コミュニティで配布できる標準的な情報やお知らせを(事前に)を作成できる
問題を早期に解決に向かえる
サクセス
サクセスは、サポートとは異なり、事後対応型ではなく、事前対応型であることが特徴です。
サポートとサクセスを明確に区別していない組織では、これらの推奨事項のいずれか、またはすべてを適切な場所に適用することができます。
注力すべき指標
・NPSスコア(コミュニティに積極的に参加している顧客とそうでない顧客で高いかどうかの相関関係)
・リテンション率(上記の尺度を使用:コミュニティに積極的な顧客とそうでない顧客で)
・更新の割合
コミュニティとサクセスが連携することで
・会社の長期計画について、十分な情報に基づいた意思決定を行うことができる
(たとえば、製品ロードマップや諮問委員会などを通じて)
・顧客がコミュニティへ参加する事で、製品やサービスでの全体的な経験や関係にどのような影響を与えるかをよりよく理解することができます。
コミュニティ・グリッド
セールスやマーケティングにはファネルという仕組みがありますが、コミュニティにはグリッドがあります。
コミュニティ内のメンバーはさまざまな行動をとり、コミュニティ・エコシステムの中で重要な役割を果たします。
コミュニティのペルソナに加え、これらのカテゴリを使用することで、メンバーが誰であるか、その動機は何か、そして彼らが組織にもたらす価値は何かを詳細に把握することができます。
スーパーユーザー
コミュニティ内で最も活動的で影響力のあるユーザーであり、最も忠実な顧客である可能性も高いです。スーパーユーザは、常に現れ、あなたとコミュニティのメンバーのために価値を創造してくれる頼もしい存在です。
コントリビューター
スーパーユーザーとまではいきませんが、活動的で影響力のあるメンバーです。このメンバーは、質の高いコンテンツとコミュニティ内でのサポートに貢献します。
レギュラー
このメンバーはコンスタントに顔を出し、コミュニティのあちこちで見かけますが、あまり貢献はしないかもしれません。
例えるなら、コーヒーショップでいつも見かける、奥の隅に座って本を読んでいるような人です。
ポテンシャル
このようなメンバーをコミュニティで見かけることはあまりないかもしれませんが、見かけたら、それは彼らがメンバーや組織に多くの価値をもたらすことをしているからです。
このようなメンバーやその努力を称えれば、彼らは貢献者になるかもしれません。
ニュートラル
このカテゴリのメンバーは、あなたの会社やコミュニティのことを気にかけていて、たまに顔を出す程度です。適切な働きかけやエンゲージメント活動が、彼らを行動へと駆り立てるかもしれません。
オブザーバー
オブザーバーは、しばしば “lurkers “と呼ばれ、傍観者であることが多いようです。彼らは、あなたやコントリビューター、スーパーユーザーが作成するものから価値を得ていると思われますが、自分から公の場で貢献することはないかもしれません。
無関心層
これらの人々は、何らかの形であなたのコミュニティに価値を見出したものの、その後まったく訪問しなくなった人々です。しかし、すべての望みが失われたわけではありません。
メンバーのグリッドを形成する3つの測定基準
メンバーのグリッド位置は、3つの異なる測定基準を使用して決定されます。
それらは「一貫性」「頻度」「影響力」の3つの指標で決定されます。
一貫性
最近の一定期間において、メンバーはどの程度定期的にあなたのコミュニティに顔を出していますか?
頻度
一貫性と同じ期間、メンバーはどの程度関与していますか?
影響力
このメンバーの参加は、どのような影響を与えますか?
コミュニティによって、より大きな影響を与えるアクションの種類があります。
コミュニティ主導型アセスメント
このページでは最後にあなたのコミュニティがどれだけ主導型であるかを測定出来るテストに参加して下さいという締めになっています。
(このサイト元の英語の測定です)
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セルフアセスメントに参加して、あなたの会社がどの程度コミュニティ主導型であるかを測定し、組織を変革するためのガイダンスを得てください。
スコアの取得
コミュニティ主導型モデルは、あらゆる規模の組織やコミュニティチームが、コミュニティプログラムやイニシアチブを成功させるために、Commsor 社のチームによって作成されたものです。
今こそ、コミュニティをビジネスの中心に据える時です。
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