35.グレートオーシャンロード12人の使徒と2人のヒゲ男
2人のヒゲ男
7月4日朝の8時45分。
オレはグレートオーシャンロードのツアーに参加するためチェックアウトを済ませた
バックパッカー(以後BP)を後にし近くの待ち合わせ場所でワゴンを待っていた。
このBPは朝食付ってのが魅力だったんだけど実際出てきたのはめっちゃ薄いパンケーキだけだった。
っていうよりクレープだった。サギやでえーー
誰が朝から乙女チック入りたい言うとんねん!!
おちょぼ口で食べたくなるわっ!! ガッツリ来い!!ガッツリ。
・・・という結果を踏まえ今朝は自分でミルクパンで米を炊き味噌汁にふりかけの朝飯で済ませた。
・・・全然しょぼいじゃん・・・。
10分程待っているとそれらしきワゴンがオレの前で止まり運転手が声を掛け降りて来た。
チェックリストでオレの名前を確認すると車内に入るように促した。
オレは中に入ろうと足を運ぼうとした。
んっ・・・・・・?!
オレの右目の端の方でごっつい視線を感じる。
視線というよりはラブラブサインだ。・・・・・・・・何っ??
ゆっくりと右の方を向く。
見慣れたノースの黄色いジャケットが映る。
「・・・・ダイにい・・・・・・。」
コーヘイ!?・・・一瞬言葉を失う。
オレ:「何でお前こんなとこ居んだよ!もうとっくにパース辺りじゃなかったのか?」
コーヘイ:「いやっ。タスマニア回っとったんだわ。」
オレ:「そーなん!!・・・・ビックリしたわあー」
それだけ言うとオレは1つだけ空いていた一番前の席にとりあえず座った。
どうやらオレが最後のメンバーとして拾われたらしい。
コーヘイは一番後ろの席に座っていた。
オイオイ。こんな大きい町で同じ日にたった10人の同じツアーで一緒になるってスゲーな。
・・・マジか?
もう一度振り返る。
・・・間違いねー。あの185cmのタッパとニヒルな笑いはあいつしか居ねー。
天上人再び登場やん!
オレより部屋代、毎週10ドル高い分だけ幸せ掴んでた男やん!!
そのおかげでおば○にイジられなかった男やん!
しっかし、すげー巡りあわせだな。
そしてワゴンは数時間南下し最初の目的地の野生のコアラが生息する森へ到着した。
ワゴンを降りると久しぶり(と言っても2週間ぶりくらい)にいつもの調子でコーヘイに声を掛けた。
オレ:「・・・どーよ?!」
コーヘイ:「どーなのよ?!」
オレ:「どーなってんのよ?!」
コーヘイ:「どないよ?!」
オレ:「どないなってんのよ?!」
2人:「・・・・・・っつーか、どーなん?」
二人して吹き出す。
いつものテンポだ。
っていうかお前らの会話がどうなってんだよっ!!
よく分からない左(ジャブ)の差し合いを終えると離れていた2週間について2人であれこれと話した。
コーヘイはさっき聞いたようにタスマニアで車をレンタルして島を1週してたらしい。
オレはその間のシドニーでの出来事を話した。
俺達はいつものようなアホアホテンションで他のツアー参加者と共にコアラをの森へ進んだ。
最初のコアラの森はコアラも寒くて全然動かずなんだかなあと思いながら次の目的地もあまり期待してなかった。
だけど”12人の使徒”と呼ばれる岩山の海岸は予想よりも遥かに壮観だった。
ここは断崖絶壁の海岸で浜辺の前に高い
岩山が12本そびえ立っていた。
夕日を浴びた海岸と岩山にしばらく見入った。”スンバラしいーー。
この時間が大正解だなっ。”
この12人の使徒と呼ばれる岩山には古い伝説があるらしく1つ1つの岩に意味だか
名前があるみたいだったけど俺らは加速するアホアホ話でそれどころではなかった。
オレは12人の使徒とヒゲと言って自分が入った景色の写真を撮った。
コーヘイ:「なんじゃそれっ!?・・・・っていうかダイ兄そのヒゲ、汚な過ぎるわっ!!」
オレ:「お前だってハンセンみたいになってんじゃん!!」
コーヘイ:「・・・オレがハンセンやったらダイ兄はキン肉マンのアゴみたいやん!!」
2人:「・・・・・・・・・どれっ!?」
写真を撮ってみた。
カシャ・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・違いねえ・・・・・・。」
こうして ハンセン と キン肉マン のヒゲ男最強タッグが誕生した。